「牛ハチノスとスジ肉、ひよこ豆の煮込み」



内臓料理、手間をかけても食べたくなるものです。


「トリップ ア ラ モード ド カン」、「トリッパ アラ ロマーナ」、「カジョス」、、、
フランス、イタリア、スペイン・・・ヨーロッパ各国の郷土料理にもなっている
「ハチノス」を使った煮込み料理ですが、広く愛されるだけあって美味しい。
ビストロやバルに行ってメニューにあると、必ず頼んでしまいます。

食感や臭みが苦手という人も多いですが、丁寧な下ごしらえで
そんなものは気にならないような一品になります。 
内臓料理好きとしては臭みの抜き過ぎにも注意しています。
臭みを消すことに注力し過ぎて、内臓の持つ独特の旨味が抜けきってしまう悲劇です。

旨味が抜けきって、食感だけになってしまったハチノスを食べて
「なんだ、全然美味しく無いじゃん、」と思われてしまうのは辛すぎる。
美味しく調理されたハチノスは、噛む度に肉の旨味と野性味のある肉汁が染み出して。
前歯で噛むとぷちん!、という弾力がありつつも、ほどけるように柔らかい。
いつ飲み込めばいいかわからない…とはならないはず。

ちなみに、煮込み料理にする際は、牛すじ肉と一緒に煮込んでいます。
当然のことですがハチノスだけを煮込むより、ぐん、と美味しくなります。




今回は、ハチノス1kgを塊で購入して調理しました。
なんとも美しいです、まさに神の作った造形物。

一口にハチノスと言っても、格子状のひだがフワフワとした独特の食感を持つ部分、
ベルベットのような質感の部分、薄い部分に肉厚の部分と様々で、それぞれに魅力があります。
中でも、胃の入口にあたるところでしょうか、肉厚な部分はとっておきの部位だと思います。
是非、塊から調理してみてください。


作り方は割愛いたしますが、我流のハチノスの下ごしらえの手順だけ簡単に。

ハチノスの表面の黒い薄皮を取り除く。
(元から白い物を購入されることをお勧めします。)

大きめの鍋に塩をたっぷり目にいれ、水からハチノスを茹でる。
湯が沸騰する寸前で火を止めて、流水で洗う。
ぐつぐつと煮てしまわないこと。
鍋底をしっかり洗い、再度、冷水から茹でる。

ハチノスの裏面の繊維に沿って、食べやすい大きさに切る。
くず野菜、ローレル、カルダモン(ホール)、クローブ(ホール)と共に
圧力鍋で煮る。圧がかかってから15分強で火を止める。
少し固めくらいに仕上げ、後の煮込み時間を調節することで好みの食感に仕上げる。
下ごしらえは完了。お好きな煮込み料理に。








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