「南インドの豆と野菜のカレー〈サンバル〉」



インド人は毎日"カレー"を食べているわけではない。

〈サンバル〉はインドの、それも南の地方の食卓で"みそ汁"のような存在です。
これが日本語だと「豆と野菜のカレー」と呼ばざるを得ない。
理屈はどうであれ、カレーらしくない、カレーだと思います。(ややこしい!)

単体でも美味しいものですが、
サンバルと炒め物(これもカレーと呼べる)、漬け物とご飯が定番の組み合わせ。
毎日カレーしか食べていないって言われてしまう訳です。
野菜と豆とスパイスから成る、毎日食べても飽きのこない滋味に富んだ料理です。

みそ汁がそうであるように、レシピも味も各家庭それぞれ存在し、
シンプルが故に料理人の腕でずいぶんと味に差がでます。
今回は、かぼちゃの甘みの溶け込んだ、ほっとする仕上がり。
ふきはドラムスティックという現地野菜を意識しています。
旬の野菜をゴロゴロたっぷり使って、食べ応えのあるものが私は好きです。


トゥールダールは水で洗い、煮くずれるまで煮ておく。
かぼちゃ、じゃがいも等は刻んだあとにサッと下茹でしておく。

サンバルパウダー用のホールスパイスを乾煎りする。
米が白くなったら火を止め、粗熱が冷めたらミルサーで粉末に挽く。

タマリンドは直径2-3cmのボール大を3倍ほどの
お湯に浸し、しばらくしたら手で揉んで種を取り除く。

底の厚い鍋に油をしき、スタータースパイスを熱する。
香りがたち、メティが色づいてきたところで、玉ねぎを加えて炒める。
続けておろしたにんにくと生姜、刻んだパクチーを加える。
火が回った所で塩と他の野菜を加えて全体に火が通るまで炒め続ける。

煮込み用スパイスを一種ずつ加えて混ぜ合わせ、煮崩したトゥールダールを加える。
タマリンドジュースを少しずつ加えて、好みの濃度と酸味に仕上げる。
予め作ったサンバルパウダーを加えて煮込む。

野菜がちょうどよく溶け込んだところで
小さな別鍋で仕上げ用のスパイスをテンパリングする。


〈材料メモ〉 
トゥールダール、タマリンド、玉ねぎ、にんにく、生姜、パクチー
かぼちゃ、ふき、じゃが芋、人参、ししとう
サンバルパウダー(コリアンダー4:クミン2:メティ1:生米1/2 +ホールチリ(1-2本))
スタータースパイス(フェンネル、クミン、メティ)※全てホール
煮込み用スパイス(ターメリック、コリアンダー、レッドチリ)※全てパウダー 仕上げスパイス(クミン、マスタードシード、メティ、ヒング、カレーリーフ)

▼ココナッツチャトニや、ティファン(南インドの軽食総称)の相性がバツグンです。

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